STUDY HALL vol.39 映画「隠された爪跡」&《In-Mates》同時上映会を開催しました!

5月27日(土)、STUDY HALL vol.39 映画「隠された爪跡」&《In-Mates》同時上映会をスコットホールで開催しました!今年は関東大震災朝鮮人虐殺から100年ということで、関連作品を2つ上映しました。100名の定員を120名に増やしたにもかかわらず、上映日の2週間前に申し込みが達してしまう盛況ぶりで、社会の関心も高まっているようです。

今回の上映会は、ほうせんか100周年追悼式実行委員会「百年(ペンニョン)」との共催です。「百年」は、1982年から墨田区の荒川河川敷で毎年朝鮮人追悼式を行ってきた「一般社団法人ほうせんか」の後を継いで、9月に向け若い世代で追悼式の準備を進めています。この荒川河川敷は、犠牲者の遺骨がまだ埋まっているかもしれないという地元住民の証言をもとに、遺骨試掘作業が行われた場所です。

呉充功監督の映画「隠された爪跡」は、まさにその時の様子を記録したドキュメンタリー映画です。試掘作業の様子のみならず、日本の植民地支配の歴史からなぜ1923年の虐殺が起こったのかという点を解説しながら、震災当時虐殺を目撃したり生き延びた人々の証言が記録されています。すでに証言者が亡くなってしまった時代にこの映画を観れることはとても貴重なものだと感じました。2017年に東京都知事による、両国で長年行われていた別の朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文送付の取りやめが問題になったことは記憶に新しいです。それ以降、東京都知事はその姿勢を改めていませんが、証言者がいなくなるということはこのように公権力による歴史の改竄や抹消をしやすくさせるのではないかと危惧します。

実際に、アーティストの飯山由貴さんの映像作品《In-Mates》は、2022年に東京都人権プラザで上映予定でしたが、作中で朝鮮人虐殺を事実としていることに都が懸念を示し、上映が禁止されるなど影響が出始めています。この作品は、1930年代に精神科病棟に収容されていた2人の朝鮮人の診療記録に基づき制作されましたが、その2人に朝鮮人虐殺がどのようなトラウマや影響を与えたのかなどを、ラッパーのFUNIさんが演じ、語り直す試みがこの作品を通して行われていました。

関東大震災朝鮮人虐殺に関連する、40年前の作品と昨年の作品。
スコットホールは、この虐殺の追悼式が1924年に初めて開かれた場所です。途中、雪崩れ込んできた警官隊に中止させられてしまったそうですが、100年目を迎えた今、これらの映画の上映会を開くことができ、歴史の連続性を感じることができました。

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