「市民参加で作るくらしのしくみ~韓国の人々に学ぶスタディーツアー」開催しました

早稲田奉仕園は、70年代には「足で体験する韓国サイクリングセミナー」、80年代には「韓国語夏期集中講座(キリスト裡里教放送局共催)」、90年代には「韓国歴史文化セミナー(光州YWCA共催)」を開催し、韓国に関心を寄せ、交流を続けてきました。

そして今年は、ろうそく集会、南北対話など、大きく変わろうとしている韓国で、人々がどのように民主的な社会を作ろうとしているのかを学ぶため、①若者問題②まちづくり③多文化共生の3つのテーマに沿って現場を訪ねるスタディーツアーを開催しました。

訪問期間は11/22~25の3泊4日、参加者は大学生から70代の方まで18名。高校や大学の教員、区議、NPOの研究員、さまざまなボランティアに参加しているなど多様な方々で、参加者同士の交流でも大いに刺激を受け、まさにスタディーツアーの醍醐味を感じた旅になりました。

どの訪問先でも対応してくれるのは30代~40代初めの若手世代で、課題に取り組んでいる熱意が伝わってきます。市庁や博物館でもボランティアは高校生たちが担い、積極的に社会参加する姿が見えました。

 

 

レクチャーの中では「当事者運動」という言葉が何度も聞かれましたが、そのような運動が何故可能なのかという参加者からの問いに、「なによりもトップの哲学が大事」と即座に答えられたのが印象的でした。当事者運動の中から誕生したトップの哲学に裏打ちされた革新的な政策が、官民協力の中で試行錯誤しながら動き出していることを感じました。

 

 

暖冬の東京からいきなりの初雪で歓迎されましたが、韓国では「初雪は好きな人と共に過ごすロマンチックな日」だそうです。せっかくのまち歩きの日に「やれやれ」と思っていた気持ちもほんわかしてきます。

冬越しのキムチを一家総出で漬ける「キムジャン」の季節にあたっていたこともラッキーでした。先々で漬けたばかりのキムチを味見させてもらい、人々の暮らしの一コマを垣間見ることができました。

 

 

各所で歓待を受けましたが、特に多文化関係施設ではたくさんの準備をしてくださいました。そのお礼に参加者で寄付を募り、建設中の多文化家族支援センターの備品購入に充てていただくことにし、早稲田奉仕園のプレートをつけてくださることになりました。

 

訪問先では日本との関係を改めて感じる場面がありました。青少年団体では3.11と原発事故に深く心を痛め、福島との交流や反原発に取り組んでいること、またリサイクルや青年政策、教育などに関し日本の事例が研究され、よくも悪しくも日本と韓国は近しい課題をもって進んで来たことを感じました。そうであるならきっとこれからも、日本と韓国は互いに学びあうことができるはずだと強く思った旅でした。

 

 

参加者の感想文からいくつかご紹介します。

「ソウル市役所は市民からの意見を聞く耳をイラストに掲げ、各政策にシール投票するなど、わかりやすい開かれた市民参加のまちづくりを確実に進めていました。それは、長くソンミサンマウル等で協働のまちづくり活動を続けてきた市民の力の成果であり、まだまだ模索しつつ進行途中であることも確認しました。

朴市長が各政策の結果だけを見るのではなく、どれだけ多くの人が関わったとか、経過を観察することを重視していること。トップが変わるとこんなに変わるかと思いますが、民主主義は時間がかかるけど、時間がかかることこそに意義を(楽しみを)見出さなければならないのだと思いました。」

 

「やはり現地へ行き、現地の方からを直接うかがうことは、本だけで得る知識とは違いました。にぎやかな観光地の一面しか知りませんでしたが、さまざまな角度から垣間見たソウルから、それぞれ違った印象を受けました。再訪してみたいと思う場所もあります。近い国であるにもかかわらず、知らないことがたくさんあり、インターネットが発達している社会でも、やはり日ごろ得られる情報には偏りがあるのだと感じます。現地を訪れて得た経験やここで出来たつながりを何かの形で生かしていきたいです。

時間的にはタイトな部分もありましたが、どこか自由でゆるやかな雰囲気でした。それも私には合っていたように思います。ぜひ、もっと若い参加者にもたくさん参加してほしいです。」

 

「クリキンディセンターで、コーヒーを販売していた青年が日本語を話すので、聞いてみると、アニメが好きで日本語を覚えたとのこと。日本では若者たちがKポップにはまっています。政治の世界ではギクシャクしている両国ですが、若い世代がお互いの文化に夢中になり、交流ができているうちは大丈夫と、未来に希望が湧いてきます。

今回の旅では、新しい地平線を切り開こうとしている、ソウルの方々の情熱的な取り組みを知りました。そして、独立門駅で、私たちの荷物の預け場を事務室と交渉してくださった、“忠誠アジョシ”。困っている人を見ると助けずにはいられない、熱い情が連帯を育み、市民運動の推進力になっているのでしょうか。」

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