昨年度から改修の計画を立てていたスコットホール地下の一室。
今までのスコットB1会議室は、悪く言ってしまえば、「スコットホールでなくても良い」、ごく一般的な会議室でした。
この地下の小部屋はかつて音楽教室としても使われていましたが、スコットホールの持つ、歴史的建造物としての趣からは離れていました。
今回改修工事をするにあたって、スコットホールを長年施工・管理してくださっているヴォーリズ建築事務所・佐藤秀の両会社に依頼しました。
施工にあたって私たちがお願いしたのは、その会議室の壁に眠っている、未だ見ぬ100年前のレンガを露出させることです。100年前の復元、とまでは言いませんが、趣と味わいのあるスコットホールの雰囲気に合わせた小部屋にしたい、という思いがありました。
5月末から竣工した工事では週に1度両会社とのミーティングがおこなわれ、進捗を確認しながら、デザイン案をすり合わせ、工事と同時にスコットホールを貸出しながらの工事となりました。
工事が始まり、既存の内壁を取り壊すと、今まで見ることのできなかったレンガ積みの壁、巨大な梁が露出しました。
端から端までびっしりレンガの壁面は、このようなスコットホールの小部屋では初めてであり、非常に迫力があり、スタッフ一同驚きと興奮に包まれました。このレンガの雰囲気を損なわぬよう、他の壁部分は白塗りとスコットホール特有の黒檀に近い茶のような腰壁に仕上げていただき、良きコントラストが生まれています。ドア部分も、既存のスコットホールのドアと同じものを特注で製作していただきました。
スコットホールに馴染む小部屋に生まれ変わったスコットB1。フリースペースとして、撮影や控室、音楽練習など、多用途でお使いいただくことを想定しています。
7月中旬から解放する予定です。ぜひご利用ください。