2018/7/6(金)今年の沖縄フィールドワーク参加者による報告会を行いました。
久々の再会となり、お互いの学びと楽しい思い出をシェアする会となりました。
当日は、参加者でタコライス(沖縄での思い出の味)を作り、見に来てくれた方に振る舞いました。
報告会では、参加者一人ひとりが沖縄で感じたことを発表しました。それぞれが沖縄に行く前から、目的意識をはっきりさせていたため、深い感想ばかりでした。
その中の一人、大学一年生の日本人学生の発表を抜粋して紹介します。
今回のフィールドワークでは「実際に目で見ることの大切さ」を学びました。
私は高校2年から高校3年、そして浪人時代と、合わせて3年間日本史を学びました。私は一般で入試を受けたということもあり、「日本史という科目」をかなり一生懸命勉強したという自負がありました。
しかし、今回のフィールドワークに参加して、それらはただの文字情報に過ぎず、本当の意味での学びにはなっていなかった、と思いました。
今回のフィールドワークで出会った方々の証言や、様々な戦争の傷跡、そして今にも続く戦争の影響は、今まで私が読んだ、どんなわかりやすい参考書よりも、深く私の脳に突き刺さりました。百聞は一見にしかずとはまさにこのことであると思いました。
そして、フィールドワーク後、ニュースなどで沖縄に関連した情報があげられると、よく目にとまるようになり、自分なりの意見を持てるようになりました。
これは、今までの私にはなかった変化です。
得た知識を実際の生活に反映させ、歴史を自分の血肉にしていく。
これが、本当の学びであると私は考えます。
そして、歴史を自分の血肉とし、自分の生活に反映させていくには、やはり実際にフィールドワークに出て積極的に学んでいくことが一番なのではないかと今回のフィールドワークで思いました。
なので、これからの大学生活では積極的にフィールドに出て行こう、そう思いました。
聞いている人も、真剣に耳を傾けていました。
沖縄フィールドワークでは、報告会のほかに報告書も書いてもらっています。そこでも、熱の入った力作のレポートが多くありました。今回は、その中のスペインからの留学生のレポートの一部を掲載します。
「戦争と米軍の占領により、土地、住居、さらに重要なことに人びとの生命、すべてが破壊されました。彼らは自らの頭上を飛ぶ戦闘機がすべてを破壊していると知りながらも、ガマの中に避難しなければなりませんでした。たった一つ、米軍が破壊できなかったものがありました。それは希望です。
希望は戦争を生き延びた唯一のものです。希望が島民を奮い立たせ、残された少ないものから復興しようと力づけました。しかし、未来が復興の希望と光に満ちたと思われたとき、土地が米軍基地のために使われているのを目撃し、彼らは再び裏切られました。(中略)私たちが学んだ強制集団死や悲劇的な歴史、様々な反感を抱いたにも関わらず、沖縄は訪れるべき夢のような場所です。沖縄の歴史は知る価値があり、人びとと出会うべき価値があります。食べ物も本当に美味しいです。旅を共にした友人たちとすべてを分かち合えたことは素晴らしいことでした。楽しい時間や感情的になった時間をも分かち合えました。私はこの思い出や友人たちを一生忘れません。私はこのフィールドワークをお勧めし尽くせないし、これからの参加者が私と同じかそれ以上に良い体験になることを心から願っています!」
今回の報告会と報告書は、沖縄の地でそれぞれが学び、そしてその学びを発表する機会となりました。
学生たちは、今回のフィールドワークで大きく成長したと感じます。それは、沖縄の地と人々との出会いが織りなしたものです。これからも、継続してこのようなフィールドワークをしていきたいと強く思いました。