第6回アジア市民社会教育ネットワークCENA夏季学校@インドネシア・ジョグジャカルタ 開催報告

2017年8月3日(木)から10日(木)まで、インドネシアのジョグジャカルタにて、第6回アジア市民社会教育ネットワークCENA夏季学校を開催しました。

テーマは「民族主義、軍国主義、グローバル化を越えた、地域コミュニティを通じたアジアの平和構築」でした。教授陣による講義や学生プレゼンテーション、ゲスト講義が計13回あり、幅広い視点でアジアの平和構築を学びました。

宿舎は、ケンバング・アルム観光村というコミュニティ観光を実践している村でした。毎日交代で村の家族が食事を提供してくださり、インドネシア国内外で表彰されている素敵な施設でした。レクリエーションや毎晩、音楽を通して交流できたことがとても印象に残りました。

日本からの参加者の感想文をいくつか抜粋します。

👤 私は正直、今回のCENAサマースクールに参加する以前は「平和構築」といっても、具体的にどんなことがあげられるのか、すぐに思いつくことが出来なかった。思いつくことと言えば、日中・日韓の国交の正常化や、非核社会の実現などの具体性のない漠然とした印象だった。しかし、今回のCENAスクールでアジア各国から集まった地域レベルの事象を問題にした教授たちのプレゼンテーション、また学生らのプレゼンテーションを聞いて、「平和構築」についての印象がより具体化されたと同時に、これらの事象に私自身が問題意識を持つことが出来るようになったと思う。

 韓国の聖公会大学のフランシス先生のプレゼンにあった、一人の韓国人女性がベトナム語を習得したことによって、ベトナム戦争中に韓国兵によって虐殺されたベトナムの人々がいるという事実を知り、それを韓国に伝えたことから、言語を理解することがグローバリゼーションを生んだという事例があった。政治家でもない、研究者でもない人の個人的なアクションが、平和構築に繋がっているということは想像もしなかった。

 これまで私は平和を実現することに、これだけ一人一人の人間が影響力を持っているということを気づいていなかった。政治的や法律的な制度からではなく、言語の習得や正しい歴史の理解という個人の活動が、また他人に影響し、結果として国として、さらには世界的に平和を広げているのだと思う。宗教的や歴史的に異なる背景を持つ人々が全く同じ平和を作るのは簡単なことではないが、まずは私個人という小さな単位が日本の平和について考えること、他国の歴史を理解しようとするということがまさに平和構築なのではないかと、今回のCENAサマースクールに参加して感じた。

 

👤 (日本の学生参加者による発表内容「憲法9条と改正の動き」は)結局は良くも悪くも、日本の若い世代の政治への関心の低さを露呈させることになってしまった。発表準備の段階から、憲法9条およびその改正に関する自分たちの無知や興味・関心の低さに否応なく気づくこととなった。さらに発表を終えると、他国からの参加者のこの問題に対する関心や意識の高さに圧倒されてしまった。現政権はなぜ改正を急ぐのか、改正にはどのような手続きが必要か、果たしてそれは現実的なのか、改正した場合には東アジア諸国のパワーバランスに変化はあるのか、自衛隊と軍隊の違いは何かといった質問が途切れることなく続いた。このような参加者からの質問に、なかなか答えられず(あるいは、自分の意見を発表できず)にいる発表者に対し、モデレーターは「英語で話すのが難しければ日本語でも」と完璧な日本語で提案してくださったのだが、実際は「日本語でも話すのが難しい」というのが私たち発表者の回答であった。

 

👤 CENAへの参加前と参加中に後悔したことは、自分があまりにもそれぞれの国の歴史や日本との関係の歴史を知らなかったことである。CENAの開催地であったインドネシアは、かつて日本軍が統治していた時代があった。事前学習でもインドネシアについて学び、現地でも資料館に行くことができ、そこでも日本とインドネシアの関係を見ることができた。そこで学んだものは、ほとんどが私の中へ“新しい知識”としてインプットされていった。新しい知識として吸収していくことはいいことではあるが、過去に関係があったにもかかわらず、そのことについて「知らなかった」ということが、ここまで恥ずかしいことだとは思いもしなかった。これから先、出会う相手の文化や歴史について何も知らないで接することがどれだけ失礼なことかと知ったとき、今後の人との接し方について大きな見直しが必要だと強く感じた。

今回、奉仕園は初めてCENA夏季学校へ参加し、下記の6大学と奉仕園を含む教育団体2団体が共催して、無事に終了しました。CENAの歴史については、夏季学校校長・大橋正明さん(聖心女子大学教授、奉仕園常任理事)の報告をご覧ください。

参加者はアジアの11カ国から大学生・大学院生41名、教職員11名となりました。2018年は韓国・済州島での開催に向けて準備をしています。

聖心女子大学

恵泉女学園大学

インドネシア・イスラーム大学

聖公会大学校(韓国)

韓神大学校(韓国)

世新大学(台湾)

アジアイスラム教徒活動ネットワーク

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