沖縄フィールドワークを開催しました

2017年のゴールデンウィークも沖縄フィールドワークを開催しました。5月1日(月)から5日(金)まで、沖縄県内の各地を周り、沖縄戦の歴史や米軍基地問題について学びました。

参加者11名(そのうち留学生6名、台湾、香港、中国、ドイツ、オーストラリア)、引率2名、講師1名、ガイド3名の計17名でした。

訪問先は毎年、ほぼ同じ場所ですが、留学生にとっては初めて訪れるところばかり。そして、2回目に参加する人にとっても、また新しい発見や気づきがあります。去年のフィールドワークの様子はこちらからどうぞ。

沖縄フィールドワークを開催しました

 

参加者の感想文から、一部抜粋します。このフィールドワークで初めてお知ったことや自分自身の考えがどのように変わったかなどを書いてくれました。

👤(社会人) 正直に言って、私は今回沖縄に行くまでは、平和運動を行っている人々に加わることをためらっていました。素直な気持ち、平和という問題が自分からほど遠いものに感じられ、運動に熱心な方々と隔たりを感じていました。しかし今回沖縄に行ったことで、今まで沖縄に対し無知で無関心だった自分が恥ずかしくなり、これからは沖縄の問題を(日本で生まれ育った)自分のこととして発信していきたいという強い思いがあります。

👤(高校生) 今回のフィールドワークで、一番衝撃を受け、鮮明な印象が残っているのは、高里鈴代さんから聞いたお話。特に、性暴力に関しては耳を覆いたくなるような話の連続だった。何と9ヵ月の赤ちゃんや8歳などの小学生が被害にあっていると言う。
 最近でも女性がアメリカ軍の兵士に性暴行をされ殺される事件などが起きていて、沖縄の人達は安心して生活できていないなと感じた。戦争中もどれほど多くの女性が慰安婦やレイプされていたのか。今もその事で苦しんでいること。性暴力が起こす多くの被害、苦しみを学んだ。こんなにもたくさん起きているなんて知らなかった。鈴代さんの性被害を記録しているものにはニュースにもなることもあるが、あまり公にされていないことがたくさん書いてあった。ただ外を歩くこと、コンビニに一人で行くというだけのことをする時もなにかに脅えなければならないのか。耐えられるはずがない。

👤(中国からの留学生) 未去冲绳以前,我对冲绳的感觉是“亲切”、“好奇”与“向往”这三种感情并存。“亲切”是因为曾在历史课上听老师讲,在琉球王朝时代冲绳与我国的福建省有很深的历史渊源,而我家刚好与福建相邻,所以未曾去冲绳时就对冲绳有种天然的亲近感。(沖縄に行く前に、沖縄に対しては「親近感」、「好奇心」と「憧れ」との3種類の気持ちが交っていました。「親近感」というのは、歴史の授業で沖縄は琉球王朝の時代で中国の福建省とつながりが深いと聞いており、私の実家はちょうど福建省の隣にあるからです。)
 对此,冲绳的居民也表示反对,很多人去海上进行抗议活动。但令人震惊的是,日本政府居然对参加抗议活动的平民使用暴力,或是拘捕他们,冲绳的媒体也遭到了日本政府的压制。以前,我一直以为日本是一个充分尊重公民表达自由的法治国家,因此对此感到很不可思议。日本政府时常指责中国的人权问题,批判中国是武力专制统治,然而实际上,日本政府也严重侵犯了冲绳居民的人权,使用暴力手段镇压有不同意见的市民。如此看来,人类要实现国家安全保障与个人安全保障的两全,做到完全的尊重人权,还有很长很远的一段路途吧。
(私はずっと、日本が法治国家であり、市民の表現の自由を尊重している民主国家だと思いました。ですので、このこと(辺野古の海で抗議行動をしている人たちが海上保安庁に暴力を振るわれていることなど)を聞いて、とても意外です。日本政府はよく中国の人権問題や力による支配を批判していますが、実際日本政府も沖縄の人々の人権を侵害しており、暴力によって異を唱える市民を弾圧しています。どうやら人類は国家の安全保障と個人の安全保障の両立、人権尊重の完全なる実現にはまだ程遠いようです。)

👤(大学生) 「百聞は一見に如かず」という言葉がこれほどまでに心にしみたのは初めてだと言い切れるような体験をしたのはこれまでになかったように思えます。正直、私は「戦争とは正義という大義名分を互いの国が掲げ、それによって自国の行為を正当化するもの」であると思って生きてきました。それなので日本も満州事変や日中戦争をしてきたし、第二次世界大戦でも戦勝国にもなり得るし、逆に敗戦国にもなり得るという可能性があった以上、その結果がどうであれ受け入れるしか道がないのかなという考えでした。しかし、問題の本質はそこではないと今回のフィールドワークで気づくことができました。

👤(台湾からの留学生) 空港から出た瞬間驚きました。湿度や気温が台湾と近いうえ、建物の外観や街にあふれている雰囲気がすごく似ていたからです。しかし決定的な違いが一つありました。それは頭上を飛んでいるヘリコプターや軍用機があるということです。毎週抗議して、何百回やっても諦めない、というのはどれだけの精神力が必要だろう。沖縄の人びとの粘り強さに感心したうえで、どうしてその精神力があるのか知りたくなりました。

 その疑問が解けたのは平和記念公園を訪ねたときでした。平和記念公園からは太平洋が綺麗に見えました。美しくて静かな海でした。けれど、沖縄戦で亡くなった人にとって、そこ太平洋の景色は人生最後の景色だったかもしれない、と考えました。太平洋の前で、私は目を閉じました。波の音を聞きながら、亡くなった人の気持ちを想像しました。すると、今頑張っている沖縄の人びとの姿が自然に目の前に現れました。どうして彼らがここまでできるのかが一瞬で分かりました。それは、平和を望んでいるからです。戦争の酷さを知っているからこそ、それが二度と発生しないように、彼らは日々奮闘していたのです。沖縄の人びとは世界の人びとの為に頑張っています。同じ世界にいる私たちも、平和を守る使命を持っています。

 21世紀の今、国同士の紛争が激しく、戦争を引き起こしてしまう可能性があると言われています。しかし、戦争の残酷さを知っている私たち、また沖縄の人びとの努力を目の当たりにしている私たちはそれを止めなければならないはずです。難しいですが、これからの世代にとっては何より重要な課題です。

👤(ドイツからの留学生) 普天間基地の滑走路が都市の真ん中に存在するのを想像できなかった。島全体の18.5%を占める軍隊訓練場や立入禁止地域の範囲だけではなく、米軍の特権のある存在に驚いた。基地を米国土として米軍兵が自由に基地を出入できるのに、沖縄住民が基地に入れないのは奇妙な非対称感を覚えさせられた。住民の最大の割合が基地に反対したり、拡大を防ぐため平穏に座り込みを行ったり、最高裁判所が違反を判決した基地が現存しているのが信じられなかった。民主主義法治国でそこまで法律に飛び越えるのはあり得ないと思った。民の声を無視しているとしか思えない。

👤(香港からの留学生) The Anti-War Museum in Iejima gave me impressive feelings when I saw the five petition regulations, especially the last one impacts me emotionally-‘With love in your heart and doing your best to be reasonable, talk together with the attitude of teaching and leading young children.” As farmers and many households resisted to move during the base construction, they had the five guidelines for nonviolent struggle bore in mind for more than thirty-four years. Their insistence were stirring my feelings since it is difficult to hold your love and rationality towards the contradictory party. People who had underwent the war knew how violence destroys everything, they learnt from it and took peaceful actions. When I were sitting on the bank near the sea and listened to the waves, I thought of how beautiful this place is as well as how the land issue afflicted the Okinawans.
(伊江島の反戦平和資料館で陳情規定を読んだとき、とくに衝撃を受けた項目がありました。「一、布令布告によらず道理と誠意を持って幼い子供を教え導いていく態度で話すこと」。住民が米軍の軍用地接収や工事による立ち退きを拒否したとき、彼らは34年以上、この非暴力闘争の原則を心に留めていました。彼らの主張は私の感情をかき立てました。道理や誠意を持って反対の立場をとる人たちに接することは難しいからです。戦争を経験した人びとは、いかに暴力がすべてのものを破壊するかを知っており、その歴史から学び、平和的な行動を取ったのです。海辺の岸に座って、波の音を聞いていたとき、私はこの地がどれほど美しいか、それと同時に土地を巡る問題がどれほど沖縄の人びとを苦しめてきたかについて考えました。)

👤(オーストラリアからの留学生) Okinawa has a memory of war and a vision of a peaceful future. Through 13-year long sit-ins and a deeply ingrained faith in calm, honest dialogue over a cup of tea, the people have showed a dedicated willingness to work together build a path towards it. Even if the physical fences of the US bases do not come down in the near future, it is time for the institutional fences, that have denied the people of Okinawa a fair say over what happens in their land, to come down.

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