国際理解講座・横浜中華街フィールドワーク

2月23日(水)の国際理解講座Global Understandingの活動は横浜の中華街を訪れました。

Global Understandingでは、陳天璽さんの著作「無国籍」を題材に学習をしてきました。

父母との家族旅行で気軽に「帰る」はずだった台湾の空港で「入国できない」と言われ、生まれ育ったハズの日本の空港に戻ってくるとさらに「(書類不備で)入国できない」と拒絶され空港の無国籍エリアで途方に暮れる著者。
私が「帰れる場所」と思っていたところが、脆く儚いものであり、空港のゲート一つで遙かに隔てられていることを味わうのが、「無国籍」という人々がさまざまな場面で経験することです。
無国籍である著者は、お弁当の香辛料がキツイと恥ずかしい思いをし、部活のバレーボールでは大会に公式出場することが叶わずゲスト参加で、民族学校という区分となる高校からは大学を受験することさえできない。「おまえはヨソモノだ。ヨソモノだ」と、生活でも、習慣でも、制度でも、あらゆる場面で感じさせられている様子が具体的に伝わってきます。

「みんな違いがあるから素晴らしい」と言うのはとても正しい言葉なのだけど、でも、まだまだ絵空事なのだと寂しい気持ちで反省させられたりもします。言葉がタドタドシイだけで、学校ではいじめられちゃうでしょ。逆に英語がやけに流暢でも揶揄されて浮いちゃう。そんな日常生活に加え、常に外国人登録証を携帯シナケレバナラナイという義務や、指紋も全部とられるなどの制度もある。
大多数の人々の「当然」から生み出された諸制度や習慣が、少数者の存在それ自体を、深く動揺させ、不安定なものにさせていることが、『無国籍』を読むと伝わってきます。
グローバルアジア社会は、もう直ぐソコマデ来ている。でも、中国のように民族主義に依らず、日本のように血統主義に依らず、韓国のように伝統主義に依らず、東アジア地域で普遍的なグローバル社会を形成するには、一体どうすれば良いのでしょう。グロアンでは、そういうことを考えながら、勉強してます。
テーマは、どっしりですが、楽しい雰囲気でゆっくりやってます。みんなでワイワイ、語り合いましょう。参加をまってます。
国際理解講座 Global Understanding 講師 石戸充

▼ 横浜への出発前に早稲田奉仕園でパチリ☆

▼ 横浜中華学院へ着きました!著者、陳天璽さんの母校です。 「この辺りなんだけどなぁ」と中華街を歩いてみると、気付いたら校門の前でした!!

 

▼ 食事をしながら、語り合い。その後は寿町を訪れ、山下公園にも足を運んだのでした。

  

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