2023年3月4日(土)〜6日(月)にかけて、「3つのテーマでめぐる長崎〜キリスト教と部落・移民難民・環境〜」を開催しました。
日本各地から計18名の参加者があり、内容の濃い充実した2泊3日となりました。
急遽、15名だった定員を増やしてからの開催でした。
1日目は長崎市内。
市内にあるお寺郡を巡りながら、17世紀のキリスト教禁教令による教会の破壊とお寺の関係性をもとに、現代までの被差別部落の人々の状況について学びました。その後、平和公園内にある碑の説明を受け、岡まさはる記念長崎平和資料館に立ち寄りました。小さな資料館であるにもかかわらず長年の調査の蓄積がびっしり詰まっており、1時間ほどの滞在では足りないくらいでした。
2日目は大村市内。
隠れキリシタンといえば長崎市内で観光をする人が多いですが、実は大村市内にはその痕跡を残す碑がたくさん残っています。また、大村は戦中、軍都でもありました。海軍の航空隊の飛行場があった場所は現在自衛隊の飛行場になっており、大村入国管理センターがあります。2000年代に入り新しい建物になっていますが、それまでは「大村収容所」と呼ばれ、戦後は韓国・朝鮮人がたくさん収容されていたといいます。入管の収容問題は現代にまで続いており、2019年には大村入管でもナイジェリア人の餓死事件が起こりましたが、今回は大村入管で被収容者の面会活動や仮放免の方のサポートを行っている牧師さんのお話を聞くことができました。
3日目は東彼杵郡の川棚町。
石木川という川周辺で、ダム建設の工事が始まっています。県と佐世保市が共同でこの事業を進めているのに対し、自分たちの生活を守るべくその建設現場で座り込みをしている住民の方たちの状況を伺いました。石木川ミュージアムでは、この町や川に生息している生き物たちの絵などが展示されていたのが素敵でした。また、この周辺には戦争遺構も多く残っており、戦中、東南アジアの方で使用されていた魚雷を作っていた場所だともいいます。
非常にドタバタしたスケジュールではありましたが、お昼にはパスタやカレー、お寿司など美味しいご飯も食べました。今回は20〜30代の参加者が比較的多く、懇親会などでもそれぞれの社会問題に対する意識を持って熱く議論が交わされていたのも印象的でした。
参加者からは、
「それぞれの訪問地で学びが多く、満足度がとても高かった。また参加者の問題意識の深さにも感銘を受けた。」
「めちゃくちゃ良い内容でした!テーマが多岐に渡ってて、これまで知らないこともたくさん学べました。」
「問題意識なく生活してきた私にとって、訪れることがないであろう場所で、出会えないであろう方々にお話をきくことが出来た」
…などの感想が寄せられています。
今回の長崎フィールドワークに関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました!