べヒシュタインピアノのメンテナンスを行いました

2014年にリニューアルして以来、たびごとに調律をしてきましたが、それでも時がたつとあちこちに微妙なずれやゆがみが生じるもの。そこで先日は1日かけてべヒシュタインピアノの全体的な整調と整音を行いました。

ご存知の通り、ピアノは弦をハンマーでたたいて音を出す楽器。鍵盤を押してから音が出るまで、いくつものてこ作用で運動がつながっています。今回は、音を出すまでのたくさんの部品やアクションの一つ一つを点検し、位置関係を正したり、動きを円滑になるよう調整する作業(整調)を行いました。

また、弦をたたいて音を出すためのハンマーの表面はフェルトで出来ていますが、このフェルトは、たくさん弾き込まれることにより、弦による凹み(弦溝)が生じ、音色がだんだん安定しなくなってくるといわれます。
そこで、固くなったフェルトに丸みを持たせ、凹みを取り除いて安定した音色が出るように調整する整音作業も同時に行いました。

 

今回の作業をお願いした照沼純さんは、べヒシュタイン、スタンウェイと並んで世界のピアノ御三家と呼ばれるピアノメーカー、オーストリアのベーゼンドルファーの本社工場で長らく活躍し、イタリアの名匠と言われるピアニスト、A.B.ミケランジェリーに選ばれた超一流の技術者です。

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調律師も大事なポイントはメモしつつ…。

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ピアノの鍵盤部分を抜き出し、ランプのような器具であぶってハンマーのねじれを調節

ひゃー、火であぶってる~

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お髭がユニークな照沼純さん。職人気質で腕はピカイチと言われるだけあって、調律師の方々もたくさん学んでいる様子でした。

軽やかなタッチと美しい音色になったべヒシュタイン。どうぞお楽しみください。