8月3日にイスラーム連続講座の第3回を開催しました。30名ほどの方がご参加くださいました。
当日講師を務めてくださったのは、東京外国語大学などで講師・研究員をなさる山本薫先生です。「アラブの春・若者・詩~アラブ世界における若者の躍動とその後」とのテーマでお話いただきました。
2011年チュニジアを発端にエジプトをはじめとするアラブ諸国に広がった民主化運動「アラブの春」。日本の大学生130人ほどを対象としたアンケート調査によると、「アラブの春」も暴力的なデモのイメージが強いようです。しかし、山本先生は、そんな暴力的なイメージからはかけ離れたエジプトの民主化運動の創造性に満ちた姿、映像を交えて紹介くださりました。
「アラブの春」を経て、多くの独裁政権が倒れ、民主化が一気に広がると思いきや、うまく民主政権に移行できた国は少ないようです。エジプトでは、イスラーム主義政権が起こった後再び軍事政権に逆戻り。エジプトの若者たちは、大きな失望の中にある、というお話を伺いました。
また、シリアでは武力闘争から内戦状態に陥る過程で、イスラム国に代表される過激派組織が勢力を拡大する隙間が生み出されました。
山本先生が紹介くださったムバラク政権が辞任したエジプトの民主化運動で生まれたという歌を載せたいと思います。日本語にすると「自由の叫び声」のようになるようです。耳に残り続ける疾走感あるメロディー、カイロの広場に集まる人々の表情をぜひご覧になってみてください。