韓国の国立ハンバット大学インターンシップ・プログラム感想文と引率教員の後記いただきました

今年1月13日から2月11日まで、韓国のハンバット大学から5人の学生が一ヶ月間のインターンシップ・プログラムに参加し、修了しました。

それぞれの学生が、実習先5団体(公益財団法人早稲田奉仕園、プラン・インターナショナル・ジャパン、在日本韓国YMCA、国際交流NGOピースボート、社会福祉法人キングスガーデン)で体験した内容や、感じたことなどを収めた感想文とともに、引率教員の言葉をいただきました。

 

 

Ⅰ.参加学生の感想文

①チェ・ガウル - 実習現場:公益財団法人早稲田奉仕園(https://www.hoshien.or.jp/)

活動部署に配属され、主にプログラムに直接参加する仕事を任されました。そのため、今回のインターンシップを通じて今まで出来なかった新しい経験をたくさんし、学ぶことができました。また、業務に加え、ボランティア活動を定期的にしているという点でも大きな感銘を受けました。給食ボランティア、使用済み切手の分類作業を実際に私が直接してみながらとても胸がいっぱいになって、韓国に帰ってもボランティア活動を続けてしたいと思いました。そして、四週間のインターンシップに関する記事が早稲田奉仕園のホームページのブログに掲載されています。最初に書くときはどう書けばいいのかとても悩みましたが、スタッフの方々の添削を受けながら無事に書けました。

今回の国外インターンは、日本のビジネスマナーと社会人として持つべき姿勢について学ぶことができる貴重な時間でした。また、早稲田奉仕園だけではなく、近隣のNGO団体でも仕事を学べる機会があったので、公益財団の業務をはじめ、NGO団体の運営と業務についても学ぶことができました。4週間の経験を身につけ、これからも引き続き進歩できる人になりたいです。

 

②キム・ヒソプ - 実習現場:プラン・インターナショナルジャパン(https://www.plan-international.jp/)

海外インターンシップを目前に控え、二つの大きな目標を立てました。1つ目は、東京での業務や生活にどれほど適応できるか確認すること。2つ目は、文化の違いをキャッチするより、実習をやり遂げることに集中することでした。

実習期間中、上記目標の達成もさることながら、発展の余地も確認できました。それは担当者であった竹崎恵さんをはじめ、プラン・インターナショナル・ジャパンの皆様のお陰でした。多様な業務に触れられるよう仕組んでいただいたスケジュール、設けてくださったランチ・プレゼンテーション、愉快な実習になれるよう終始気にかけてくださったこと無しでは、このような充実した経験はできなかったと思います。プランでの1ヶ月は、かつて持ち合わせていなかった自信や積極性を養ってくれました。

このプログラムを通じ、学校側の目標通り、海外就業の意識を高めることができました。また、業務の行われ方、社会人の様子など、就職活動に役立つ要素も窺うことができました。

 

③ベク・ヒョンミン – 実習現場:在日韓国YMCA       (http://www.ayc0208.org/jp/)

日本語学科の学生でありながら、日本へ一度も行ったことのない私にとっては今回4週間のインターンシップはとても大切な経験であると同時に海外への初旅行でした。それゆえだったのか、東京の地を踏み出す度に新たな空気を感じ、根拠のない自信が溢れ出ました。写真しか見たことのなかった畳部屋の感触は不思議であり、すれ違う度に挨拶してくれた工事現場の方たちからには、その優しさに感心しました。

ホテルに行く初めての道のりでは、もちろんドキドキしました。しかし、職員の方たちの親切さで、私の緊張もどこかへ飛んでいきました。始めての仕事ではありましたが、親切に教えてくださったその心遣いに、私も一生懸命学び続けました。しかし、仕事だけ頑張ったとしてもそれだけが全てではありませんでした。現場の「雰囲気」を知ることが何より重要だと感じました。雰囲気を把握できてこそ、相手の意図が分かり、リアクションができると学びました。じっと観察してみると、事務室の職員の方のやり取りに、私だけ話を挟むことができなくてもっと頑張るように気を引き締めました。しかし、聴き取るべき内容の話が理解できなかったり、相手に伝えるべき内容が伝わらなかったりした状態でした。そこで、初めて一生懸命勉強をしてこなかったことを後悔しました。

今回の体験で悔しい気持ちを覚えたことをきっかけにもっと勉強に励んでいきたいと思えるようになりました。インターンシップを経験できていなかったら、永遠に分からないでいたはずだったと思います。

これからこのプログラムに参加する後輩たちも私のように何かを悟ることができる大切な経験をしてもらいたいです。ありがとうございました。

 

④キム・ユジン - 実習現場:国際交流NGOピースボート  (http://peaceboat.org/)

現場実習に参加することになった時は漠然とした不安とピースボートでインターンとしてどんな仕事を任されるのだろうという期待がありました。日本に着いた後、早稲田奉仕園でオリエンテーションが行われたときでさえも一か月間ピースボートでインターンとして働くことがあまり実感できませんでした。そして、やっと始まったインターンの生活、最初はバタバタして何が何だか分かりませんでしたが、徐々に自信もついてきて任された仕事だけでなく何もかも勉強する覚悟で頑張ってみようと思うようになりました。

ベアトリスさんのイベントやICANのワークショップ、そして、国際シンポジウムに参加して、原発の危険と核兵器の恐ろしさを知ることができました。もちろん、以前から核兵器の恐ろしさは聞いていましたが、それを仕事として考えたことはありませんでしたので、今回の経験を通じてより真剣に考えられるようになりました。

そして、一番心配していたのが私の日本語力でした。学校という制限的な場所でしか日本語を使ったことがなかった私が果たしてちゃんとした日本語を使えるのか心配していましたが、幸い言語的に難しいところはありませんでした。ただ、韓国語を日本語に訳すときにどうしても韓国語の影響で日本語の文が変な文章になってしまうことがあり、これからは日本語らしい日本語を書く練習をし続けなければいけないと思いました。

「鍵の穴から天を覗く」という諺があります。今までの私はまさにその諺のような人でした。今回経験を通して世界を見る目が広がった気がします。世界には私が知らない争いや差別があって、それを止める、克服するために努力している人もいるということを学ぶことができました。

これからはいろんな角度から世界を見る練習をして、人を理解する人になれるよう、頑張ろうと思います。そして、機会があったらぜひ、CCとして船に乗ってみたいと思います。

 

⑤オ・スヒョン - 実習現場:社会福祉法人キングスガーデン    (http://www.kg-tokyo.or.jp/)

老人福祉の仕事は初めてだったので、本当に心配でしました。まず、老人福祉に対する知識が足りない状態でして、たったの一ヶ月間でしたが、直接日本の社会生活を経験するものだったので心配でした。でも、担当者さんとともに、業務を実習しながら私が知らなかった高齢者福祉業務の種類と過程を学ぶことができ、利用者さんを直接ケアする方法についても詳しく学ぶことができました。

そして最初は日本の社会生活において重要なものをよく知らなかったので本当に難しかったですが、担当者さんが一緒に仕事をしながら、日本の挨拶のマナーや各状況でどのように行動すべきかについて詳しく教えてくださったので日本の社会生活についても学ぶことができました。そして実習の中で一番良かった部分は利用者さんと話を交わしながらもっと近づいて直接お手伝いしながら、利用者さんたちが感じる感情が私にも感じられるようになり、利用者さんの感情を理解する時間を持つことができたことでした。

 

 

Ⅱ.引率教員の後記

国立ハンバット大学・人文社会大学・日本語学科教授 パク・ヘソン

2018年1月13日から2月11日まで、日本東京で実習を実施しました。東京での実習は本学科においてはじめて行ったものであるため、心配も多かったのですが、研修を受ける5人の学生は誠実な態度で頑張り、業務や日本語能力、日本社会に対する理解度において大きい成果を成し遂げることができました。

反省点としては、研修実施機関に対するより徹底とした調査と業務把握を行ってなかったことを挙げられます。

今回の実習を実施した機関は、グローバルな活動を行う機関がほとんどであるため、現場内で日本語のみならず、堪能な英語駆使能力が要求される機関も多くありました。したがって学生たちにとって、今回の機会が世界を見つめる視野をより広める成長にもつながったのではないかと思います。なによりも、4週間のぎっしり詰めたスケジュールをやり遂げることによって、自らへの自信や積極性をつけることができました。

今後も多くの学生が、研修プログラムに参加し、国際的な感覚を養い、日本社会、特に職場文化に対する理解を高める機会に恵まれればと願います。

 

 

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